2011年6月4日土曜日

縁の下の地下ラ持ち『千軒亭』【陸奥湊駅前朝市】

 
たくさんの働くオジさんやイサバのカッチャがせわしなく行き来し、
荷物を積んだトラックが巧みな職人ワザですれ違い、
その僅かな隙間をスーパーカブが器用に縫って走る!

慌ただしいばかりに活気溢れる早朝の陸奥湊駅前通り。

その喧噪のほぼド真ん中、市営魚菜小売市場の隣、千軒文化市場にポッカリと開いた異次元へといざなうような不思議な“穴”みたいなところ。



のぞき込んでみると、地中へと繋がるコンクリートの階段が続いている。
あらがうことのできない“なにかのチカラ”に引き寄せられるように、通りの喧噪とは裏腹に静まりかえる地下へと降りていくと……



そこには、陸奥湊駅前通り市場街が最盛期だった頃はひしめき合っていたであろう飲食店の名残が連なっていた。



そして、その旧地下食堂街に現在1軒だけ残った食堂こそが、ヒトを引き込む“なにかのチカラ”を発散する場所だったのである!



通称「地下食堂」
千軒文化市場の地下で営業しているから正式名称は「千軒亭」なのだけれど、千軒文化市場の地下で営業しているから「地下食堂」で通っている。
陸奥湊駅前通りの住人達(イサバのカッチャや有名飲食店の店主など)ですら「地下食堂」と呼び、ホントの名前を知らなかったというくらい「千軒亭」は「地下食堂」な地下の食堂なのだ。

“なにかのチカラ”……要するに「うまそうな匂い」に急かされるようにトビラを開いて店内に足を踏み入れると、ソコは紛う事なき「大衆食堂」そのもの。



カウンターには出来たての惣菜が並び、



壁には、大衆食堂の王道的定番メニューの“札”が並ぶ。
しかもドレもコレもがリーズナボーで大好物ばかりだ!



そして店内奥の角上にはブラウン管のテレビが鎮座し、
様々なカレンダーがあちこちでしつこいくらいに“今日”を主張している。



スチールのテーブルに備え付けられた箸入れやソースの容器なども、心憎いばかりに“完璧”な佇まい。



これぞ絵に描いたような大衆食堂の正しい姿。
過剰なまでに作り込まれたかのように大衆食堂過ぎる位の大衆食堂が、ナチュラルな存在として陸奥湊の地下にひっそりと残っていたのである。

まさに陸奥湊駅前通りの“穴場”だ。

いやぁ落ち着くわぁ〜〜〜。



陸奥湊駅前市場通りといったら、魚菜市場の「朝市朝ご飯」や、新鮮な海の幸を美味しく供する有名店などがお馴染みの定番。
しかし、その陸奥湊駅前市場通りで「かせぐ」人達が、朝の一仕事を終えて千軒亭の出前をとったり、店まで降りてきてくつろぎながら食事を摂ったりしている姿をみていれば、千軒亭がいかに陸奥湊駅前市場通りに密着し欠かせない存在なのかって、よくわかる。
目立たない地下で地味ながら、まさに「縁の下」で陸奥湊を支えているのが「千軒亭」なのだ!



「労働者の味方」こそが大衆食堂の大切な役割。
そんなThe大衆食堂「千軒亭」には、「お刺身類などは、ご自由にお持ち込みください」という張り紙がしてある。
……やっぱりここは陸奥湊なんだな、とナゼだかチョッと嬉しいような誇らしいような気分になったりもする。
さすが陸奥湊。
懐が深い。

そいじゃぁ今度、お言葉に甘えてマグロの刺身やイカの切り込み(塩辛)を持ち込んでカツカレーと一緒に食べてみよう。

さすが陸奥湊。
奥が深い。

2 件のコメント:

  1. はじめて コメントします。
    写真の「チャーハン」 旨そうっすね。
    機会を見て 行こうとは思ってるんですが
    やっばり 平日じゃないと無理かなぁ…

    もし 営業時間等の情報があれば
    教えていただけると 幸いです…

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  2. 私、元鮮魚店に勤務をしていて、1971年~1992年までの22年年間陸奥湊駅前に通っていました。あれから24年、当時と全く変わらない千軒亭さんのし写真を見て、目頭が熱くなりました。なにせ、人生の貴重な22年間、朝食はほぼ毎日千軒亭だったのですから。

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